ステンレスとは鉄にクロムやニッケルを加えて錆びにくくした合金です。
サビに強いですが、100%錆びないわけではありません。

刃物に使われるステンレスはさらに炭素を加えることで硬度を高め、切れ味を上げています。
(ほかにも様々な元素を加えることで切れ味・刃持ち・靭性・展性など特性が変わります)
ここで注意が必要なのが、炭素を加えることで切れ味が上がりますが錆びやすくなるという点です。

錆びにくさは

シンクなどに使われるステンレス>刃物に使われるステンレス

となります。

炭素の保有量が多ければ多いほど錆びやすくなります。

トレンドとして高価な刃物用ステンレス鋼ほど炭素の保有量が高く、錆びやすくなります。
(ZDP-189などはセミステンレスなどと呼ばれます)
逆に安価で切れ味があまり良くない包丁は錆びにくいものが多いです。

また刃物用鋼材の種類によっても錆びやすさは変わります。

錆びにくさは

H-1>LC200N>>VG-10>ZDP-189>鋼(青紙スーパー、K390等)


となっています。
H-1は圧倒的な錆びにくさを保ちながら刃物として使える切れ味を維持したとても錆びに強い鋼材です。塩水に対しても高い耐食性を示し、海上の使用で活躍します。

VG-10などのステンレスでも塩水に対しては弱く、レモンなどの酸性の食べ物を切ったまま洗わずに放置すると錆びにつながります。また、梅雨の時期など湿気が多い場合は錆びることもあります。

H-1の包丁を1年間塩水につけた実験動画

【もらい錆び】
異種金属を接触させたままだと錆が発生しやすくなります。
キッチンシンクなどに濡れた空き缶やヘアピンを置きっぱなしにして錆びさせてしまったことはないでしょうか?
もらい錆びを避けるため他の金属がブレードに接触した状態のままにしないでください。

【錆びを防止するには】
錆びを防止するには使用した後は良く洗い、水気をよく拭いてから乾かしてください。
塩分や柑橘類の果汁が残っているとそこから錆が発生する場合があります。
塩素系の漂白剤など薬品も使用しないで下さい。
K390や青紙スーパーやほかの鋼などはさらに錆びに弱く、空気中の湿気でも錆びてしまうことがあります。
長期間使用しない場合は、乾燥剤を入れた箱に保管したり、ブレードに刃物用の椿油や食品用油を塗って乾燥した場所に保管してください。


【錆が発生してしまった場合】
包丁を水で濡らし、クレンザーをかけ、ワインのコルク栓やアルミホイルを丸めたもので強くこすって錆びを削り取ってください。きれいになりましたら水で洗ってよく乾かしてください。
錆びは時間がたつにつれ、内部に侵食し錆びを取りきれなくなってしまいます。
錆びを発見した場合は早めに磨いて綺麗にしてください。
ダマスカス模様は磨くとエッチングが削れて模様がなくなってしまいますので錆びさせないように注意してください。

チタンコーティングなどに傷ができ、コーティングの下に錆びが発生してしまった場合はコーティングごとはがさないと錆を取ることはできません(クレンザーを使うとチタンコーティングは削れて剥がれます)。コーティングがはがれてしまった場合の再コーティングはできません。ご了承ください。


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サビナイフキッチン2ブラックブレード

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ニャイフキッチンブラックブレード牛刀サーバルキャットver1

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紫電一閃 ZDP-189カーボン柄牛刀サーバルキャット②