ナイフや包丁はブレードの鋼材の特性により、刃持ち、研ぎやすさ、錆びにくさが変わります。
鋼材の種類
硬度:HRC58~59
武生特殊鋼材が開発した刃物用鋼材。厳選された純度の高い原料鉄を用いた
高炭素のバナジウム鋼で、刃持ち、研ぎやすさ、錆びにくさのバランスが良く、家庭用の包丁では十分なレベルの性能を持ちます。
硬度:HRC58~59
武生特殊鋼材が開発したVG-10を芯材に使用した積層鋼。
エッチング処理をすることでブレードに美しい積層模様を浮かび上がらせた現代のダマスカスです。刃持ち、研ぎやすさは芯材のVG-10と同じです。古代インドのダマスカス鋼の製法は失われています。
硬度:HRC59~60
武生特殊鋼材が開発した13クローム系ステンレス鋼。
耐摩耗性、耐食性に優れています。
硬度:HRC66~68
日立金属株式会社が製造した粉末鋼。現在は生産終了。
驚異的な硬度と耐摩耗性を持ち、刃持ちがとても良い(切れ味が落ちにくい)。
8A(AUS8)
硬度:HRC56~58
愛知製鋼で作られたステンレス鋼。440Bに近い組成性質を持っている。研ぎ安く、扱いやすい鋼材として広く使用されている。
6A⇒440A 8A⇒440B に近い成分です。
ATS-34
硬度:HRC60~61
日立金属が開発した優秀な特殊ステンレス鋼。刃物の良さ、粘り強さ、サビに対する強さと、ナイフ鋼材に求められる様々な要素をバランスよく備えている。
スーパーゴールド2
硬度:HRC62~63
武生特殊鋼製「粉末ステンレスハイス」。粉末冶金により多量の高合金成分を含有させ、高硬度、高靱性、高耐摩耗性、高耐食性に富んだ超高級刃物用綱。研削研磨の加工に富み火造り鍛造性にも優れています。
硬度:HRC64~65
ボーラーウッデホルム社の冷間工具鋼。
高い硬度と素晴らしい耐摩耗性と切れ味が特徴ですが、ステンレスではないため錆びに対して念入りに注意する必要があります。
硬度:HRC57~59
LC200Nは切れ味と錆びにくさを両立させたドイツの鋼材です。
錆びにくさは
H-1>LC200N>>VG-10>ZDP-189>炭素鋼(青紙スーパー、K390等)
硬度 :HRC56~58
日本金属工業㈱で開発された高強度オーステナイト鋼を,刃物用材に明道金属㈱が調質加工を加え生まれた合金です。塩分、海水でも強い耐食性を持っています。調質加工により、靭性、硬さが得られているために刃物として使え、また一般砥石でも研ぐことができます。
現在は生産終了。
硬度 :HRC58~60
カーペンター社の鋼材。バランスの取れた鋼材でVG-10とよく比較される。
ハイカーボン、ハイクロムの鋼材で非常に錆びに強いです。(カーボン:0.85-0.95%,クロム:15.00-17.00%)
硬度 :HRC59~61
アメリカのクルーシブル社が開発した高炭素粉末ステンレス鋼。
耐食性は440Cより優れ、耐摩耗性は440Cの約1.5倍、靭性は約3倍優れています。
またCPM S90Vより加工性が良いです。
CPM S35VN
硬度 :HRC59~61
アメリカのクルーシブル社が開発した高炭素粉末ステンレス鋼。
CPM S30Vより靭性が高く、加工性もよい。靭性が高いので刃欠けもしにくくなっている。
硬度 :HRC59~61
アメリカのクルーシブル社が開発した2019年に発表された最新の高炭素粉末ステンレス鋼。CPM S35VNより耐摩耗性・耐食性がさらに良くなっています。
刃持ちもよく、とても素晴らしい高価な鋼材です。
硬度 :HRC58
アメリカのクルーシブル社が開発した高炭素粉末ステンレス鋼。
靭性、耐摩耗性に優れた鋼材(CPM S60Vよりも良くなっている)
加工性が悪く、研削しにくい。
CPM Cruwear
硬度:HRC62
アメリカのクルーシブル社が開発した高炭素粉末ステンレス鋼。
硬度が高く、靭性、耐摩耗性に優れた鋼材
硬度:HRC60~62
クルーシブル社とスパイダルコが共同開発した粒子冶金ステンレス鋼
CPM SPY27は鋭い切れ味、刃持ちの良さ、耐食性を備えたスパイダルコ専用鋼材です。鋼材の特性は鋼材への添加元素の割合の違いによって変化します。
添加元素の特性についてはこちら
鋼材の成分表(PDF)(作成中)
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。